学校硬筆展の目指すもの - 全力投球の方法 -
埼玉県は硬筆展、書き初め展にとても力を入れている県です。この毎年恒例の硬筆展はてっきり全国で行われているものと思いきや、埼玉県だけだということを大人になってから知り、驚きました。
この硬筆展、文字書き大好き少年少女には力を発揮する最高のイベントです。
当教室でも、一年かけて過去のお手本を練習し、6月の本番にむけて実力を高めます。
教えている私が云うのもなんですが、みんな物凄い字を書きます。「物凄い」と云うのは、バランスが良いだけでなく、線質、筆圧、余白の取り方など総合して、気迫を感じる文字です。
ボールを遠くまで投げるには、腕だけでなく上手に体を使って投げるのではないかと思うのですが、私はその体の使い方がわからずに、腕だけを使い投げたボールはどんなに頑張っても足元に落ちました。小学生の運動測定にボール投げというのがあったんです。その時の悔しい思い出。体全体を使い思いきり遠くへ投げられたらどんなに気持ちがいいだろうと思っていました。もし、誰かに全身を有効に使って遠くまで投げる方法を教わっていたら....
文字も同じで、どこを見て、何を意識して、どのくらいの筆圧で、どうやって気迫を込めるかを教えます。(「気迫」などという言葉は使いませんが)、それを覚えるとボールを遠くまで投げるように、見た人の目を惹きつける生きた文字を書けるようになります。
その楽しさは、大人になってからも文字を書くことが好きな方にはよくわかるのではないでしょうか。
私が目指すのは、自分が思い描く理想の文字を書くことの楽しさ、もしくは理想の文字を目指すことの喜び、さらにはその文字を見た人が嬉しくなるような、そんな文字との関わり方を身につけてもらうことです。
結果として、硬筆展で良い賞をもらう事もあるでしょう。それは自信につながってさらなる励みになります。でも、賞をもらうことが最終的な目標ではないと思っています。ええ、もちろん賞はとってもとっても嬉しいです。それまでの練習が高く認められることですから。でも硬筆展で得られる達成感は限られた上位入賞者だけではなく研鑽した生徒さんみんなにあるから楽しいのです。
コメント